結論:先に必要な容量を決め、その容量でいちばん安く済むものを選ぶ
値上がりした今は、「1GBが安いから大きめを買う」と総額が膨らみます。必要な容量ごとに答えを分けました(価格は2026年10月時点の目安)。
| 必要な容量・用途 | 選ぶもの | 支払額の目安 |
|---|---|---|
| 1TBで足りる・とにかく出費を抑えたい | キオクシア EXCERIA BASIC 1TB | 約2.8万円 |
| 1TBで、OS用に書き込みの余裕も欲しい | Samsung 990 PRO 1TB | 約3.5万円 |
| 2TB(ゲームの保存先・2台目) | WD Blue SN5100 2TB | 約4.5万〜5万円 |
| PS5に1TBをそのまま挿したい | WD_BLACK SN850X 1TB(ヒートシンク付き) | 約4.4万円 |
| PS5やPCに4TBをまとめて | Lexar NM790 4TB(ヒートシンク付き) | 約7.3万〜8.4万円 |
| Gen5スロットのあるPCで、大きなデータを毎日動かす | Samsung 9100 PRO 1TB | 約4万円 |
ゲームのロード時間を縮めたいだけなら、Gen5に追加で払う理由はほとんどありません(下で計測値を紹介します)。
SSDの値段は約3倍に。1TBの買い方も変わった
2025年の秋まで、NVMe SSDの1TBは1万円前後で買えました。たとえばキオクシアの1TBは2025年10月に通販で10,880円という記録があります。2025年秋からAIデータセンター向けにNANDフラッシュ(SSDの記憶素子)の需要が急増し、メーカーが企業向けを優先したことで、店頭価格が上がり続けました。2026年10月中旬の時点で、Gen4の1TBは約3万円(国内通販の最安で29,800〜34,980円前後)です。1GBあたりで見ると、約11円から約30円へ、およそ3倍です。
業界の動きもこの流れに沿っています。Micron(Crucialブランド)は2025年12月に一般向け事業からの撤退を発表し、Crucial製品の出荷は2026年2月で終わる予定とされました。WD_BLACKとWD Blueは2026年1月にSanDiskの「Optimus」ブランドへの切り替えが発表され、このページの製品では次のように名前が変わります。
- WD_BLACK SN850X → SANDISK Optimus GX PRO 850X
- WD_BLACK SN7100 → SANDISK Optimus GX 7100
- WD Blue SN5100 → SANDISK Optimus 5100
名前が変わっただけの同じ製品でも、新しい名前のほうが高く売られている例があります(SN850X 1TBのヒートシンクなしが約3.6万円、Optimus GX PRO 850X 1TBが約5万円。いずれも2026年10月19日時点の実勢価格の目安)。なお「Optimus GX PRO 850P」は、PS5の公式ライセンスを取った別の製品なので、850Xと混同しないでください。
そこで比較表には、速度だけでなく1GBあたりの価格を入れ、値上がり前(約11円/GB)と比べられるようにしました。
比較表(2026年10月時点の目安)
| 製品名 | 世代 | 容量 | 価格の目安 | 1GBあたり | 読込/書込(公称) | DRAM/NAND | TBW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Samsung 990 PRO | Gen4 | 1TB | 約35,000円 | 約35円 | 7,450/6,900MB/s | あり/TLC | 600TB |
| WD_BLACK SN850X(ヒートシンク付き) | Gen4 | 1TB | 約43,500円 | 約44円 | 7,300/6,300MB/s | あり/TLC | 600TB |
| WD_BLACK SN7100 | Gen4 | 1TB | 約31,500〜34,000円 | 約32〜34円 | 7,250/6,900MB/s | なし(HMB)/TLC | 600TB |
| キオクシア EXCERIA BASIC | Gen4 | 1TB | 約28,000円 | 約28円 | 7,200/6,600MB/s | なし(HMB)/QLC | 300TB |
| WD Blue SN5100 | Gen4 | 2TB | 約45,000〜50,000円 | 約22〜25円 | 7,100/6,700MB/s | なし(HMB)/QLC | 900TB |
| Lexar NM790(ヒートシンク付き) | Gen4 | 4TB | 約73,000〜84,000円 | 約18〜21円 | 7,400/6,500MB/s | なし(HMB)/TLC | 3,000TB |
| Samsung 9100 PRO | Gen5 | 1TB | 約40,000円 | 約40円 | 14,700/13,300MB/s | あり/TLC | 600TB |
※価格は、2026年10月19日時点の実勢価格と、国内通販の最安値(ゲーミングスタイル調べ、10月14日時点)を丸めた目安です。幅があるものは安いほうが通販最安、高いほうが10月19日時点の実勢価格です。SSDは数日で数千〜1万円以上動くことがあります。 ※1GBあたりは1TB=1,000GBで計算しています。Windowsでは1TBのSSDが約931GBと表示されますが、これは数え方の違いで、容量が欠けているわけではありません。 ※値上がり前の目安:1TBで約1.1万円(約11円/GB、2025年10月)
今買うか、待つか
はっきり「いつ下がる」と言える材料は、2026年10月時点ではありません。TrendForceは、2026年10〜12月期もNANDの契約価格が前期比15〜20%上がると予測しています。ただし、これはメーカーと大口顧客の取引価格の予測で、店頭のSSDが同じ率で上がるという意味ではありません。伸びの中心は企業向けで、一般向けは需要が弱いとされています。一方で、NANDのスポット価格は10月上旬まで6週続けて下がったという集計もあり、店頭の1TBは9月から10月にかけてほぼ横ばいでした。
- 今週中に必要なら買う:空き容量が足りずに困っている/PCを組んでいる最中/PS5でゲームの入れ替えが手間になっている。待っても安くなる保証はないので、必要な容量だけを買うのが現実的です
- 容量が残っているなら価格を追う:特に2TB以上は、同じ製品が数日で1万円以上上下した例があるので、価格推移を見て下がった日に買うと差が出ます
- 容量を決めるときは割り算を:「大きいほど1GBが安い」とは限りません。Samsung 990 PROは2TB(通販最安で約7.7万円、約38円/GB)のほうが1TB(約35円/GB)より1GBあたりが高く、WD Blue SN5100は逆に2TB(約22〜25円/GB)のほうが1TB(約30〜32円/GB)より安くなっています
Gen4とGen5、ゲームのロードでどれだけ違うか
Gen5(PCIe 5.0)は公称の読込速度がGen4の約2倍ですが、ゲームのロードは速度表の差ほど縮みません。Notebookcheckが2023年2月に報じたForspokenの計測では、7場面のロード時間の合計で、Gen5のSSDが10.48秒、Gen4のSamsung 990 PROが10.87秒でした。差は7場面合わせて約0.4秒です。初期のGen5 SSDでの計測なので今の製品とは条件が違いますが、PCWorldもCyberpunk 2077などでGen5とGen4のロード時間はほぼ同じと報告しています。
Gen5が有利なのは、コピー元とコピー先の両方が速いSSDで、大きなデータを続けて読み書きする場合です。外付けSSDから素材を取り込む、Gen4のSSDからコピーする、といった使い方では遅いほうの速度に引っぱられ、Gen5側の14,700MB/sは出ません。9100 PRO 1TBと990 PRO 1TBの差は約5,000円なので、その5,000円で何秒縮むかを、自分の作業の頻度で考えてみてください。Gen5の性能を出すには、マザーボード側にGen5対応のM.2スロットも必要です。
PS5の場合、増設スロットはPCIe Gen4 x4です。ソニーの推奨は読込5,500MB/s以上なので、このページのGen4製品はすべてこの数字を満たしています。Gen5のSSDを入れてもGen4の速度で動くだけなので、PS5のためにGen5を選ぶ理由はありません。冷却部品込みのサイズにも条件があり、幅25mm以内、高さ11.25mm以内(基板の上側8.0mm・下側2.45mm以内)で、ヒートシンクか放熱シートが必要です。
各製品の詳細
1. Samsung 990 PRO 1TB — 1TBで、OS用に余裕が欲しいなら
1GBのLPDDR4 DRAMキャッシュとTLC NANDを積んだGen4です。公称の読込は7,450MB/sで、Gen4の上限に近い値です。TBWは600TB、保証は5年(TBW到達時点で終了)。管理ソフト「Samsung Magician」でファームウェアの更新や状態の確認ができます。EXCERIA BASICより約7,000円高く、その差でTBWが2倍、NANDがQLCからTLCになる、と考えると比べやすくなります。
2TBは1GBあたりがかえって高くなるので、990 PROは1TBで買うのが割安です。PS5で使う場合は、ヒートシンク付きモデルを選ぶか、別売りのヒートシンクを付けてください。
保存先として容量だけが欲しいなら、SN5100 2TBやNM790 4TBのほうが1GBあたり10円以上安くなります。
2. WD_BLACK SN850X 1TB(ヒートシンク付き) — PS5にそのまま挿したい人に
DRAM付き・TLCのGen4で、読込7,300MB/s、TBWは600TBです。ヒートシンク付きモデル(WDS100T2XHE)は、PS5動作確認済みの国内正規品として売られていて、別に放熱部品を用意する必要がありません。
PCで使うなら話が変わります。マザーボードにM.2用の放熱板が付いているなら、ヒートシンクなしモデル(WDS100T2X0E、約3.6万円)で足り、約7,500円安く済みます。ヒートシンク付きは放熱板と二重になり、取り付けられないこともあります。新しい名前の「Optimus GX PRO 850X」が1万円以上高く並んでいることがあるので、名前だけで高いほうを選ばないよう注意してください。
3. WD_BLACK SN7100 1TB — ノートPCや省電力重視に
DRAMを積まず、PCのメインメモリを一部借りるHMB方式のGen4です。NANDはTLC、公称の読込は7,250MB/s、TBWは600TB。DRAMがない分だけ消費電力と発熱を抑えやすく、ノートPCの換装に向きます。
990 PROとの差は1,000〜3,500円ほどです。デスクトップの1台目ならDRAM付きの990 PROを優先したいところで、SN7100が活きるのはノートPCのバッテリーや発熱を気にする場合です。
4. キオクシア EXCERIA BASIC 1TB — 1TBで支払額をいちばん抑えるなら
このページの1TBのなかで価格がいちばん低い1台です(約2.8万円、1GBあたり約28円)。Gen4で、公称は読込7,200MB/s・書込6,600MB/s、保証は5年。Amazonの商品説明によれば片面実装で、薄型ノートPCにも入れやすい形です。今回のAmazon販売品(型番末尾/R)はAmazon限定品です。
気をつけたいのは、NANDがQLCで、TBWが300TBと990 PRO(600TB)の半分であることです。300TBは1日20GB書き込んだ場合の約41年分にあたりますが、これは保証の条件に使う総書き込み量で、41年使えるという意味ではありません。保証は5年です。毎日数十GBの録画や動画の書き出しをするなら、TBWに余裕のあるTLCのモデルを選んだほうが安心です。
5. WD Blue SN5100 2TB — 2TBが必要なら
2TBで約4.5万〜5万円、1GBあたり約22〜25円です。同じ製品の1TB(約3万円、約30円/GB)より割安で、「2TBにすると1GB単価が下がる」例になっています。Gen4で読込7,100MB/s、TBWは900TB。
NANDはQLCで、DRAMはなくHMB方式です。海外のレビューでは、ノートPCや一般的なデスクトップ向けで、書き込みの多い作業用ではないと評価されています。ゲームや写真の保存先、2台目のドライブに向きます。OSを入れたうえで動画編集の作業領域にも使う、という1台で全部をこなす使い方なら、990 PROなどのTLCにしてください。
6. Lexar NM790 4TB(ヒートシンク付き) — 4TBをまとめて買うなら
約7.3万〜8.4万円と高額ですが、1GBあたり約18〜21円で、このページの7製品で単価が最も低い製品です。4TBあれば、100GB級のゲームでも約40本分。公称の読込は7,400MB/s、総書き込み量は3,000TBWです。DRAMはなくHMB方式、NANDはTLCで、ヒートシンク付きの国内正規品はPS5動作確認済みとして売られています。
1TBで足りる人が単価の安さにつられて買うと、使わない3TBに5万円近く払うことになります。4TBが本当に要るかを先に考えてください。
7. Samsung 9100 PRO 1TB — Gen5を選ぶ理由がある人に
公称の読込14,700MB/s・書込13,300MB/sのGen5です。1GBのLPDDR4X DRAMを積み、TBWは600TB、保証は5年。値上がりの影響で、Gen4の990 PROとの差は約5,000円まで縮んでいます。
この5,000円が回収できるのは、Gen5のSSD同士、またはGen5のSSDとメモリの間で、大きなデータを頻繁に動かす作業です。Samsungのデータシートでは読み書き時の消費電力が7W台で、Gen4より発熱への対策が要ります。Gen5スロットのないPCやPS5に入れても、Gen4の速度で動くだけです。
購入前に知っておきたい4つの用語
- NVMe:PCIe経由でSSDを動かすための通信方式です。SATA接続のSSD(最大約550MB/s)より大幅に速くなります
- M.2スロット:マザーボードやPS5にある細長い差し込み口です。「2280」は幅22mm・長さ80mmを表します
- TBW:メーカーが保証の条件に使う総書き込み量です。600TBは1日50GB書き込んだ場合の30年以上分にあたりますが、寿命を約束する数字ではなく、保証期間(このページの製品は5年)とは別に考えます
- DRAMレス(HMB):SSDにDRAMを積まず、PCのメモリを一部借りる方式です。ふだん使いでの差は小さく、大量の連続書き込みで差が出やすくなります
持ち歩き用の保存先を探しているなら、外付けSSDの比較も参考にしてください。
参考にした情報
- PS5にM.2 SSDを増設する(ソニー公式サポート)
- SSD価格推移と高騰はいつまで続くか【2026年10月14日】(ゲーミングスタイル)
- AI Server Demand Sustains Memory Contract Price Increases in 4Q26(TrendForce、2026年9月30日)
- Sandisk Optimus ブランドの発表(SanDisk、2026年1月5日)
- Forspoken DirectStorage 1.1 tests: PCIe 3.0 / 4.0 / 5.0 SSDs(Notebookcheck、2023年2月)
- EXCERIA BASIC 製品仕様(キオクシア公式)
- Samsung NVMe SSD 9100 PRO データシート(Samsung公式)