結論:階数で台数の目安を出し、配線の有無と回線の速さで絞る
- 戸建て2階建て・光回線1Gbpsなら、TP-Link Deco BE22の2台セット(約2.4万円)から考える。各階に1台が目安です。LAN配線があれば機器同士をケーブルでつなぐと安定します。配線がなく、2台を無線でつなぐ場合は、6GHz帯を機器同士の中継に使えるバッファロー WNR-5400XE6P/2SN(約2.5万円)も候補です。
- 3階建てなら3台。安く済ませるならDeco X50の3台セット(約2.9万円)。Wi-Fi 7で3台にするなら、Deco BE22の2台セットに1台を足して3.7万円前後になります(1台パックは発売時の想定価格で約1.4万円)。
- 10Gbpsの光回線なら、まず「家の入口(WAN)」の速さで選ぶ。Deco BE9300は入口が2.5Gbpsまで、Deco BE75は10Gbpsで受けられます。ただしどちらも、家の中の有線は2.5Gbpsが上限です(下の表)。
ワンフロアのマンション(3LDK・70㎡前後)は、メッシュの前にルーター1台で足りるかを確かめてください。選び方はWi-Fiルーター比較にまとめています。
2026年秋、メッシュWi-Fiの値段と選び方はどう変わったか
Wi-Fi 7のメッシュが2万円台まで下がりました。 Deco BE22の2台セットは実勢価格の目安で約2.4万円で、Wi-Fi 6のDeco X50の2台セット(約2.3万円)とほとんど変わりません。どちらも6GHz帯のないデュアルバンド機なので、この2機種の間なら、2台で足りる家でWi-Fi 6を選ぶ価格上の理由は小さくなっています。ただし「Wi-Fi 7だから速い」とは限りません。無線でつなぐ場合の速さは、帯域の数と置き場所で大きく変わります(次の節)。
値上げが続いています。 2026年はバッファローとNECプラットフォームズがWi-Fi機器の価格を複数回改定しました。通販向けの型番では、NECの最上位ルーターが約7.1万円から約9.8万円に上がった例もあります。値段は今後も動く前提で見てください。
10Gbpsの光回線が広がっています。 NTT西日本の「フレッツ 光クロス」は2026年6月にエリアカバー率80%に達し、NTT東日本も10月の拡大(10月30日提供開始分まで)が終わった時点で80%を超える見込みと発表しています。10Gbps回線でメッシュを組むなら、Wi-Fiの規格より「入口のポート」と「家の中の有線ポート」の速さが効いてきます。
LAN配線があるか、ないかで変わること
メッシュWi-Fiの機器同士をつなぐ通り道を「バックホール」と呼びます。ここが遅いと、スマートフォンと子機の間がWi-Fi 7で速くつながっていても、インターネットまでの速さは伸びません。
LAN配線がある家は、機器同士をケーブルでつなぐのがいちばん確実です。床や壁の影響を受けないので、台数を増やしても速度が落ちにくくなります。この場合に見るのは有線ポートの速さで、1Gbps回線ならDeco BE22(1Gbpsポート)で足ります。
LAN配線がない家は、機器同士も電波でつなぎます。ここで差が出るのが帯域の数です。
- デュアルバンド機(Deco BE22・Deco X50):機器同士の通信と、スマートフォンなどとの通信が同じ5GHz帯を分け合います。家族が同時に動画を見るような時間帯は、そのぶん速度が落ちやすい構造です。
- トライバンド機(6GHz帯のあるバッファロー・Deco XE75 Pro・Deco BE9300・Deco BE75):帯域が1つ多いぶん、機器同士の通信を分けやすくなります。ただし6GHz帯は壁や床を通ると5GHz帯より弱まりやすく、階をまたぐ配置では期待ほど効かないこともあります。
置き場所にも注意が要ります。子機は「電波が届かない部屋」に置くのではなく、親機と届かない部屋の中間で、親機の電波がまだ十分届く場所に置きます。届かない部屋に置くと、子機自体が親機とうまくつながりません。
間取り別:何台を、どうつなぐか
| 住まい | 台数の目安 | 機器同士のつなぎ方 | このページの候補 |
|---|---|---|---|
| マンション 2LDK〜3LDK(ワンフロア) | まずルーター1台。届かない部屋があれば2台 | 無線 | Deco BE22(2台) |
| マンション 4LDK・メゾネット | 2台 | 無線。廊下を挟む場合は有線も検討 | Deco BE22、バッファロー WNR-5400XE6P/2SN |
| 戸建て2階建て・LAN配線あり | 2台(各階1台) | 有線 | Deco BE22 |
| 戸建て2階建て・LAN配線なし | 2台(各階1台) | 無線 | Deco BE22、バッファロー WNR-5400XE6P/2SN |
| 戸建て3階建て | 3台が目安(2台で足りる家もある) | 無線なら2階の機器を経由する構成になりやすい | Deco X50(3台)、Deco BE22(2台+1台) |
| 戸建て・延床150㎡以上、10Gbps回線 | 2〜3台 | 有線(2.5Gbps以上のポート同士) | Deco BE9300、Deco BE75 |
台数の目安は、メーカーの公表カバー面積をそのまま当てはめず、床や壁で電波が弱まることを見込んだこのページの考え方です。実測ではありません。実際の届き方は建物の構造(木造か鉄筋コンクリートか)で変わります。バッファローは2台セットの推奨環境を「3階建て・4LDK、約160㎡」としていますが、これは鉄骨造3階建ての検証施設での同社の結果です。
10Gbps回線で、家の中では何Gbpsまで出せるか
10Gbps回線で高いメッシュを買って「思ったほど速くならない」原因になりやすいのがここです。メーカーのポート仕様から言える上限をまとめました。実際の転送速度を保証するものではありません。
| 製品 | 回線の入口(WAN)の上限 | 家の中の有線の上限 | 機器同士を有線でつないだときの上限 |
|---|---|---|---|
| Deco BE22 | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
| Deco BE9300 | 2.5Gbps | 2.5Gbps | 2.5Gbps |
| Deco BE75 | 10Gbps | 2.5Gbps(10Gbpsポートは1台に1つで、親機では入口に使う) | 2.5Gbps |
10Gbps回線の速さを1台の有線PCで使いたい場合、メッシュでは難しく、LANにも10Gbpsポートがあるルーター(Wi-Fiルーター比較のAterm 19000T12BE)のほうが合います。
メッシュWi-Fi比較表
価格は2026年10月時点の実勢価格の目安です。
| 製品名 | 台数 | 向く住まい | Wi-Fi規格(6GHz) | 入口(WAN)の上限 | 有線ポート(1台あたり) | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| TP-Link Deco BE22 | 2台 | 戸建て2階・マンション | Wi-Fi 7(6GHzなし) | 1Gbps | 1Gbps×2 | 約23,700円 |
| TP-Link Deco X50 | 3台 | 戸建て3階 | Wi-Fi 6(6GHzなし) | 1Gbps | 1Gbps×3 | 約28,800円 |
| バッファロー WNR-5400XE6P/2SN | 2台 | 戸建て2〜3階・4LDK | Wi-Fi 6E(6GHzあり) | 2.5Gbps | 2.5Gbps×1(INTERNET)、1Gbps×3 | 約25,500円 |
| TP-Link Deco XE75 Pro | 2台 | 戸建て2階・広めのマンション | Wi-Fi 6E(6GHzあり) | 2.5Gbps | 2.5Gbps×1、1Gbps×2 | 約39,800円 |
| TP-Link Deco BE9300 | 2台 | 広い戸建て・2.5Gbpsの有線で組む | Wi-Fi 7(6GHzあり) | 2.5Gbps | 2.5Gbps×4 | 約63,800円 |
| TP-Link Deco BE75 | 2台 | 広い戸建て・10Gbps回線 | Wi-Fi 7(6GHzあり) | 10Gbps | 10Gbps×1(RJ45/SFP+兼用)、2.5Gbps×3 | 約71,900円 |
各製品の詳細
1. TP-Link Deco BE22(2台セット)— 1Gbps回線の2階建てなら、まずこの2台
Wi-Fi 7対応のデュアルバンド機で、最大速度は5GHz帯2,882Mbps、2.4GHz帯688Mbps(メーカー公表値)。6GHz帯はありません。有線ポートは1台につき1Gbpsが2つで、各階にLAN端子があれば機器同士をケーブルでつなげます。
光回線が1Gbpsなら、インターネットの速さについてはポートより回線側が先に上限になるので、1Gbpsポートが大きな制約になることは少ないはずです。ただし家の中のNASとPCの間で大きなファイルを動かすような通信は、回線と関係なく1Gbpsが上限です。複数の帯域を束ねるMLOにも対応していますが、効果が出るのはスマートフォンやPC側も対応している場合です。
配線がなく無線でつなぐと、機器同士の通信と端末の通信が同じ5GHz帯を分け合います。安さと引き換えの部分です。
2. TP-Link Deco X50(3台セット)— 3階建ての各階に1台ずつ置きたい人へ
3階建ての戸建てでは、1階の親機から3階まで電波を直接届かせるのは難しく、2階の機器を経由する構成になりやすくなります。Deco X50の3台セットなら各階に1台ずつ置けて、価格は約2.9万円。Wi-Fi 7のDeco BE22で3台にするより9,000円近く安く済みます。
規格はWi-Fi 6(5GHz帯2,402Mbps、2.4GHz帯574Mbps)で、メーカー公表のカバー範囲は3台で最大600㎡、同時接続は最大150台。有線ポートは1台に1Gbpsが3つあり、LANケーブルで機器同士をつなぐこともできます。
Wi-Fi 7の端末が家に増えてきた、という家なら、9,000円近く足してDeco BE22を3台にする選択もあります。どちらもデュアルバンドなので、無線でつないだときの構造上の弱点は同じです。
3. バッファロー WNR-5400XE6P/2SN — 配線のない家で、6GHz帯を中継に使える国内メーカー機
バッファローのWi-Fi 6Eトライバンド機を2台、最初からメッシュ設定済みにしたセットです。最大速度は6GHz帯・5GHz帯がそれぞれ2,401Mbps、2.4GHz帯が573Mbps。INTERNETポートは2.5Gbps、LANポートは1Gbps×3です。
メーカーは、対応機種同士なら6GHz帯を機器同士の中継(EasyMeshのバックホール)に使えると案内しています(ファームウェアVer.1.10以降。2023年10月の更新で対応)。Wi-Fi 6E対応の端末を持っていなくても使える機能です。LAN配線のない2階建てで、デュアルバンドのDeco BE22より機器同士の通り道に余裕を持たせたいなら、価格差1,800円ほどで選べます。
推奨環境は「3階建て・4LDK、約160㎡、30台・10人」と書かれています。このページでは3階建てなら3台を目安にしているので、2台で3階建てをまかなえるかは家の構造しだいと考えてください。
4. TP-Link Deco XE75 Pro(2台セット)— TP-Linkで6GHz帯をそろえたい人に
Wi-Fi 6Eのトライバンド機です。6GHz・5GHz帯がそれぞれ2,402Mbps、2.4GHz帯574Mbps。1台に2.5Gbpsポートが1つ、1Gbpsポートが2つあります。メーカー公表のカバー範囲は2台で最大510㎡、同時接続は最大200台です。
バッファローの6Eセットとは、6GHz帯の有無・入口2.5Gbps・家の中は1Gbps中心という点で、仕様はよく似ています。違いはDecoアプリで管理できることと、ほかのDeco製品を後から足して同じネットワークにできることです。
購入前に確認: バッファローより約1.4万円高いのに、仕様表の上の差は小さい機種です。Decoでそろえる理由が特になければ、バッファローで足ります。
5. TP-Link Deco BE9300(2台セット)— 2.5Gbpsの有線で家中を結ぶ
Wi-Fi 7のトライバンド機で、6GHz帯5,764Mbps、5GHz帯2,882Mbps、2.4GHz帯688Mbps(メーカー公表値)。1台に2.5Gbpsポートが4つあり、各階をLANケーブルでつなげば機器同士は2.5Gbpsで結ばれます。
入口(WAN)も2.5Gbpsまでなので、10Gbps回線を契約していても、この機種で受けられるのは2.5Gbpsまでです。「10Gbps回線を使い切る機種」ではなく、「2Gbps以上の回線で、家のどこでも1Gbpsを超える速さを出したい人向け」と考えてください。メーカーは420㎡・2階建て・寝室5室の住宅での試験結果として、2.5Gbpsの有線でつないだ場合はほぼ全域で2.5Gbps、無線でつないだ場合は2階で約1.5Gbpsと公表しています。メーカーの仕様表を見る限り、帯域・速度・ポート構成は同社のDeco BE65と同じです。
光回線が1Gbpsのままなら、この価格を出す理由はあまりありません。
6. TP-Link Deco BE75(2台セット)— 10Gbps回線を10Gbpsのまま受ける
1台に10Gbps(RJ45とSFP+の兼用)が1つ、2.5Gbpsが3つ。10Gbpsポートを持つDecoのうち、2026年10月時点でAmazonが2台セットを直接販売している機種です。6GHz帯は最大11,520Mbps(320MHz幅)で、国内では5GHz帯の240MHz幅が使えないため、5GHz帯は2,880Mbpsになるとメーカーが注記しています。
10Gbpsポートは1台に1つしかありません。親機では回線の入口に使うので、親機から先の有線(子機とのケーブル接続や有線PC)は2.5Gbpsが上限です。この機種の価値は、10Gbps回線を入口で絞らず、家族の複数の端末がそれぞれ速く使える点にあります。有線のPC1台で10Gbpsを出したい人向けではありません。
iPhone 16・17のWi-Fi 7は160MHz幅までの対応と報じられており、320MHz幅の6GHz帯はiPhoneでは使い切れません。家の端末がほぼスマートフォンとテレビだけなら、Deco BE9300で十分です。
まとめ
メッシュWi-Fiは「家の大きさ」より「階の数」「LAN配線の有無」「回線の速さ」の順に決めると迷いにくくなります。
- 2階建て・1Gbps:Deco BE22の2台。配線がなければバッファロー WNR-5400XE6P/2SNも比べる
- 3階建て:Deco X50の3台(約2.9万円)か、Deco BE22の3台(3.7万円前後)
- 2Gbps以上の回線で配線あり:Deco BE9300。10Gbpsを入口で受けたいならDeco BE75
LAN配線があり、2.5Gbpsの有線で組みたいけれど6万円は出したくない場合は、2.5Gbpsポートが2つあるデュアルバンドのDeco BE25という機種もあります(Amazonでの販売状況を確認できなかったため、この比較には入れていません)。ワンフロアの住まいなら、先にWi-Fiルーター1台での選び方を見てください。
関連用語:メッシュWi-Fi/Wi-Fi 6・6E・7の違い/トライバンド/2.4GHz・5GHz・6GHz/有線LAN/NAS
参考にした情報
- TP-Link Japan Deco BE22 製品仕様:https://www.tp-link.com/jp/home-networking/deco/deco-be22/
- TP-Link Japan Deco BE9300 製品仕様:https://www.tp-link.com/jp/home-networking/deco/deco-be9300/
- TP-Link Japan Deco BE75 製品仕様:https://www.tp-link.com/jp/home-networking/deco/deco-be75/
- TP-Link Japan Decoシリーズ一覧(Deco X50/XE75 Pro/BE25 ほか):https://www.tp-link.com/jp/home-networking/deco/
- バッファロー WNR-5400XE6P/2SN 製品情報(6GHzバックホール・推奨環境):https://www.buffalo.jp/product/detail/wnr-5400xe6p_2sn.html
- NTT東日本「フレッツ 光クロス」提供エリア拡大(2026年6月23日):https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20260623_01.html
- 24wireless.info「Aterm Wi-Fiルーター価格改定(2026年7月)」:https://24wireless.info/aterm-wi-fi-router-reviced-prices-202607